孤独死現場で壁・天井に臭いが染みた場合の完全対処法|除菌→脱臭→補修まで専門家が解説

除菌作業

孤独死現場で壁や天井まで臭いが染みついてしまいお困りではありませんか?
まず壁が臭う場合は大きく分けて2つの原因があり、天井が臭う場合は通常1つの原因しか考えられません。

  • 原因①:ベットの上や床上で亡くなる際に、体液が壁に付着した状態になった場合
  • 原因②:部屋の真ん中あたりで亡くなり壁に体液は付着していないが、発見が遅れたために壁まで死臭が染みついてしまった場合

天井が臭う場合は、発見が遅れたために天井まで死臭が染みついてしまった場合がほとんどです。

この記事では、IICRC国際資格取得・特殊清掃の施工実績2,000件超のMIND代表・鷹田が、不動産管理会社や家主様が知るべき壁や天井まで腐敗臭が漂う場合の対処方法を解説していきます。

【著者】MIND代表 鷹田 了
鷹田
MIND代表・鷹田

IICRC認定 TCST(特殊清掃)/FSRT(火災復旧)資格保有

特殊清掃・遺品整理の施工実績:2,000件超(2008年〜)

遺品整理総合相談窓口協同組合認定 遺品供養士 コンシェルジュ

目次

業務用消臭剤などの散布では根本的な解決にならない

私の経験上は壁や天井まで臭いが染みついた場合、特殊清掃業者が使用する次亜塩素酸ナトリウムや二酸化塩素などの消臭剤を散布する作業を行っても大きな効果は期待できません
そのため壁や天井そのものに、手を加えて臭いを抑える必要があります。

孤独死現場の特徴と内壁の種類

  • 現在の日本の住宅の内壁は「クロス+石膏ボード」が多く、その他は「漆喰(しっくい)壁」「塗壁」「砂壁」「タイル壁」「木材壁」などが一般的に多いです。
  • 孤独死現場は圧倒的に独り暮らしが多く、1Kなど間取りの小さなアパートやマンションの賃貸住宅がもっとも多いです。
  • 1K賃貸住宅の内壁は大半が「クロス+石膏ボード」です。

「体が壁に付着した状況で亡くなった場合」腐敗臭の対処法

特殊清掃の経験が浅い場合やリフォーム業者などは、いきなり壁を全面解体して臭いを抑えようと考えている方もいらっしゃいますが、基本的には全面解体せずに腐敗臭を抑えることが可能です
(もし壁や天井までそっくり解体されるなら莫大な施工費用となり、お勧めしません。技術力のない業者の施工提案と判断出来ます)

下記に「体が壁に付着した状況で亡くなった場合」の作業の流れを解説いたします。

STEP
除菌作業

ULVやフォグマスターを活用して安定型次亜塩素酸ナトリウムを室内全体へ散布いたします。

バイオ エアーを散布
フォグマスター
ULV




STEP
汚染箇所の切り取り
  • 最初にカッターにてクロス(壁紙)を剥がします。
  • 次に壁(石膏ボード)の体液で汚染された箇所をカッターで切り取ります。
クロス貼り
汚染箇所の切り取り
STEP
脱臭作業

脱臭する範囲の部屋の大きさに見合ったオゾン脱臭機を活用して、悪臭のニオイ度数に合わせて1日〜3日程度、オゾン脱臭いたします。

所要時間の目安: 1K・1Rの場合、脱臭のみで1〜3日。臭いの強さにより変動します。

剛腕ツイン オゾン発生器
STEP
石膏ボードの穴埋め
  • 最初に切り取った石膏ボードと同じ厚みの石膏ボードを使い、補修いたします。
  • 次にパテ埋めして補修箇所のつなぎ目を平らにいたします。
石膏ボードの穴埋め
STEP
新品のクロス貼り

臭いがきつい孤独死現場では、厚みのある防臭に適したビニールクロスを貼ることで臭いを抑える(封じ込める)ことが出来ます。

クロス貼替

クロスを剥がした際に、石膏ボード自体が重度に臭う場合もあると思います。そんな時は、クロスを貼る際、糊にある物(※企業秘密)をブレンドすることで、防臭効果を高めることができます。

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「天井が臭う場合」どうしたら良いの?

現在の日本の住宅の天井材は「クロス+石膏ボード」の他は「板張り」「珪藻土や漆喰+左官」「ジプトーン(+塗装)」などが一般的に多いです。
正確な使用天井材の割合は分かりませんが、我々の特殊清掃現場に多く目立つのは、「クロス+石膏ボード」と「ジプトーン(+塗装)」の天井材です。

  • もし臭う天井が「クロス+石膏ボード」なら上記壁と同じように対処しています。
  • もし臭う天井が「ジプトーン」なら、塗装によるコーティングを武器にして、天井に染み込んだ腐敗臭を封じ込めます

「ジプトーン」の腐敗臭対処方法、特殊コーディング作業の流れ

STEP
養生からスタート

天井をコーディング(塗装)しますので、床の養生から始まり壁まで全面養生いたします。天井をローラーで塗る場合、塗料が霧状になって飛び散ります。塗らない箇所や汚したくない箇所を養生テープなどで覆います。繰り返し細かな箇所もしっかりマスキングいたします。



養生の所要時間: 慣れている方で1Kの間取りでも1時間15分くらい。慣れていない方だと、この養生作業だけで2時間以上の時間を必要とします。

STEP
目地から塗布


天井の汚れを掃除します。タバコのヤニなどが気になる場合は濡れぞうきんでよく拭きます。汚れが差ほど気にならない場合はホウキなどでホコリを払います。目地はハケ(刷毛)で塗布いたします。

塗料
ローラーで塗布
ハケで目地を塗布
STEP
ローラーで塗布

目地の塗布が終わったら、次はローラーでジプトーン全面を塗布いたします。このローラー作業を2回繰り返します(2度塗りいたします)




天井のコーディングは、ハケの塗り方にしてもローラーの塗り方にしても、乾燥を多く必要とし見た目以上に難易度は高いです。

ローラーで塗布



費用の目安と業者選びの注意点

費用の目安

対処内容目安費用(1K・1Rの場合)
除菌+脱臭のみ5万〜15万円
石膏ボード切除+クロス貼替10万〜25万円
ジプトーン天井コーティング8万〜20万円
上記フルセット(壁+天井)20万〜50万円前後

※間取り・汚染範囲・臭いの強さにより大きく変動します。必ず現地見積もりをご依頼ください。

業者選びの注意点

またここ数年は、同業他社のやり直し施工が異常に増えております。多くの不動産管理者様、家主様、相続人様、連帯保証人様などが特殊清掃を業者へ作業依頼したが「まだ死臭がしている」と被害が増えております。にわか特殊清掃業者の存在には気をつけましょう。

確認すべきポイントとして、IICRC(国際資格)・特殊委件施工士などの専門資格の有無、年間施工実績の開示、見積書の透明性の3点が挙げられます。

まとめ|孤独死現場で壁や天井まで臭う場合の対処方法

  • 壁や天井に腐敗臭が染みついた場合、大半が業務用消臭剤などの散布では根本的な解決にならない。
  • 壁が臭う場合、基本的に壁全面を解体せずに腐敗臭を抑えることが可能です。手順は「除菌→汚染ボード切除→オゾン脱臭(1〜3日)→石膏ボード補修→防臭クロス貼替」の5ステップ。
  • 天井が臭う場合、「ジプトーン」なら塗装によるコーディングで腐敗臭を封じ込めることが可能です。
  • 天井が臭う場合、「ジプトーン」なら塗装によるコーディングで腐敗臭を封じ込めることが可能です。
  • にわか特殊清掃業者によるやり直し施工トラブルが増加中。資格・実績・見積もりの透明性を確認すること。

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この記事を書いた人

2008年より遺品整理・特殊清掃の現場に立ち続けて17年。
IICRC国際資格保有・特殊清掃2,000件超の実績をもとに、
正確で信頼性の高い情報をお届けします。

『一般廃棄物収集運搬会社にて8年間の業務経験』
『IICRC認定 TCST(特殊清掃)』
『IICRC認定 FSRT(火災復旧)』
『古物商許可取得』
『業歴17年(2008年〜)』
『特殊清掃実績 2,000件超』

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