死臭が残ったまま入居者が入ってしまったら【家主・不動産会社が今すぐとるべき対処法】

家主が今すぐとるべき対処法

「消臭は完了しています」——そう聞かされて入居者を迎えた翌月、「部屋が臭い」とクレームが来た。
私がMINDの代表として17年間・2,000件超の現場に関わってきた中で、こうした「施工済みなのに臭いが戻った」という相談が後を絶ちません。
原因のほとんどは、前の業者の手抜き作業です。死臭は表面を拭いただけでは消えない。壁・床・換気扇の内部に浸透した腐敗成分は、気温が上がるたびに再び揮発します。
この記事では、実際の施工事例をもとに「なぜ臭いが戻るのか」「すでに入居者が入ってしまった場合どうすべきか」を、現場目線でお伝えします。

【著者】MIND代表 鷹田 了
鷹田
MIND代表・鷹田

IICRC認定 TCST(特殊清掃)/FSRT(火災復旧)資格保有

特殊清掃・遺品整理の施工実績:2,000件超(2008年〜)

業歴17年(2008年〜)

目次

死臭は「時間が経てば消える」は誤解です

「少し窓を開けて換気すれば大丈夫だろう」「時間が経てば自然に消えるはず」——こう考える家主の方は少なくありません。しかし死臭は、一般的な生活臭とはまったく異なります。
人が亡くなると、体内の脂肪・タンパク質が分解され、プトレシン・カダベリン・硫化水素など複数の腐敗ガスが発生します。これらは壁・床・天井・排気口の内部にまで浸透し、温度が上がる夏場などに再び揮発します。
つまり、においが「消えたように見えた」のは一時的な抑制にすぎず、根本の汚染源が残っている限り、臭いは必ず戻ってきます。

「バレるかどうか」より深刻な3つのリスク

家主の方が最初に感じる不安は「入居者に気づかれるだろうか?」というものです。しかし実際には、それ以上に深刻な問題が3つあります。

① 入居者の健康リスク

死臭の成分には、長期間吸引すると頭痛・吐き気・気分不良を引き起こすものが含まれます。特に換気の悪い締め切った部屋ではガスが滞留しやすく、入居者が体調不良を訴えるケースがあります。

② 告知義務違反のリスク

宅地建物取引業法に基づき、不動産取引において「心理的瑕疵」(過去に孤独死・自殺などが発生した物件)は、重要事項として告知が必要です。消臭処理が不十分なまま「施工済み」として貸し出し、入居後に臭いが発生した場合、告知義務違反として賃料返還・損害賠償を求められる可能性があります。

③ 信頼・評判へのダメージ

SNSやGoogleレビューで「入居したら死臭がした」と書かれるリスクは、今や無視できません。個人の家主にとっても、管理会社にとっても、一件の対応ミスが長期的な信頼失墜につながります。

【実例】「施工済み」なのに臭いが戻ったケース——東京都府中市・ユニットバス

施工概要

物件:東京都府中市 ユニットバス(浴室)での孤独死状況:相続人(息子)から依頼。別の特殊清掃業者が3回施工したが、不動産管理会社から「仕上がりが合格ラインではない、まだ少し臭いがする」と指摘され続けた。

弊社対応:やり直し施工(税込214,500円)

弊社(MIND)に依頼が来たのは「前の業者が完全消臭の仕上がりを保っています」という言葉を信じたが、においが消えなかった、というご相談でした。
現場を確認すると、臭いの原因が残っていた箇所は主に5か所でした:

  • 便器のフランジ・ウラ面——全く清掃されていなかった
  • 浴槽の色素沈着——特殊薬剤での浸け置きが必要なのに手拭き清掃のみ
  • 換気扇本体——カバー外側だけ清掃、内部は未処理
  • 便器タンクのウラ面——汚染あり、未清掃
  • トイレ前の床面——分解消臭されていなかった

東京都府中市 ユニットバス(浴室)での孤独死

ユニットバスの特殊清掃は、便器を完全に取り外してフランジまで清掃する技術が必須です。浴槽の色素沈着も、専用薬剤に一晩浸け置きしなければ落ちません。「素早く拭き取る」という発想では、根本の汚染は除去できないのです。しかし、この作業を適切にできる特殊清掃業者は業界内でも少数派です。

弊社施工後、相続人(息子様)から「仕上がりが全然違う!臭いが全くしない!」とお声をいただきました。

すでに入居者が入ってしまった場合——今すぐとるべき対処手順

STEP
まず入居者の状況を確認する

「においが気になる」と入居者から連絡がきていれば、誠実に対応することが最優先です。「少し様子を見てほしい」という対応は不信感を高めるだけで、問題の解決にはなりません。

STEP
専門業者に再調査・再施工を依頼する

「前の業者が消臭施工済み」であっても、においが残っているなら施工が不完全です。再施工を専門業者に依頼してください。その際、ユニットバスでは、以下を確認してください:

  • 便器を取り外しての内部清掃が可能か
  • 換気扇の本体清掃・分解洗浄に対応しているか
  • 浴槽や床面の浸け置き消臭に対応しているか
  • 施工実績と作業写真を公開しているか
STEP
入居者への説明と費用負担の整理

再施工の間、入居者に一時退去が必要な場合は、宿泊費等の実費負担も検討が必要です。誠実な対応が、後のトラブルを防ぎます。不動産管理会社が間に入っている場合は、家主・管理会社・施工業者の3者で情報を共有しましょう。

「安い業者」「施工済み」を鵜呑みにしないために

特殊清掃業者の「施工済み」という言葉を決して鵜呑みにしないでください。
業者のウェブサイトに作業実績・施工写真が豊富に掲載されているか確認してください。「完全消臭できます」という言葉だけで、実際の作業スキルを証明できる写真や事例がない業者は要注意です。
また、ユニットバス(浴室)の特殊清掃は難易度が高く、苦手とする業者が業界内に多く存在します。依頼前に「ユニットバスの施工実績はどれだけありますか?」と一言確認するだけで、業者の力量はある程度わかります。

MIND(マインド)について

弊社の代表・鷹田は2008年より遺品整理・特殊清掃の業務に携わり、2,000件以上の施工実績があります。2023年には特殊清掃分野のIICRC国際資格(TCST・FSRT)を取得。ユニットバスを含む難易度の高い現場にも対応しており、施工後の仕上がりは写真付きで公開しています。法人様(不動産管理会社・家主様)からのご相談は、現地お見積り無料で承っております

よくあるご質問(FAQ)

消臭施工が完了したと言われたのに、なぜ臭いが戻るのですか?

消臭の「見た目の完了」と「根本除去」は異なります。便器内部・換気扇本体・浴槽内の色素沈着など、手の届きにくい場所の汚染が残っていると、気温が上がるなどの条件で臭いが再び揮発します。正しい施工は、便器の取り外しや薬剤浸け置きなど、手間のかかる工程を省かないことが前提です。

入居者からクレームが来た場合、費用は誰が負担するのですか?

原則として、瑕疵のある物件を貸し出した側(家主)が再施工費用を負担するケースが多いです。ただし、不動産管理会社が「施工済み」と説明して仲介していた場合は、管理会社との間で費用分担の協議が必要になることもあります。弁護士・宅建士への相談をおすすめします。

再施工の費用はどのくらいかかりますか?

物件の広さ・汚染状況・前回施工の完成度によって大きく異なります。弊社の事例では、ユニットバスのやり直し施工が税込214,500円でした。まずは無料の現地お見積りでご確認ください。

施工中、入居者に一時退去してもらう必要がありますか?

使用する薬剤の種類によっては、施工中・施工後の換気時間が必要なため、一時的な退去をお願いするケースがあります。詳しくはご相談時にご案内します。

まとめ

死臭が残ったまま入居者が入ってしまうと、健康リスク・告知義務違反リスク・信頼損失の3つの問題が同時に発生します。「時間が経てば消える」「前の業者が施工済み」という認識は危険です。
においが残っているなら、それは施工が不十分だったサインです。専門性の高い業者に再施工を依頼し、根本から解決することが、家主・管理会社にとっても、入居者にとっても最善の選択です。


MINDでは、再消臭施工のご相談を承っております

電話でのお問い合わせ(8:00-20:00)

メールでのお問い合わせ (24時間受付)

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この記事を書いた人

2008年より遺品整理・特殊清掃の現場に立ち続けて17年。
IICRC国際資格保有・特殊清掃2,000件超の実績をもとに、
正確で信頼性の高い情報をお届けします。

『一般廃棄物収集運搬会社にて8年間の業務経験』
『IICRC認定 TCST(特殊清掃)』
『IICRC認定 FSRT(火災復旧)』
『古物商許可取得』
『業歴17年(2008年〜)』
『特殊清掃実績 2,000件超』

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