特殊清掃の仕事に興味があっても、「未経験でも本当に入れるのか」「何を覚えればいいのか分からない」という不安を抱えている方は多いと思います。
結論からお伝えすると、特殊清掃は未経験からでも十分に活躍できる仕事です。ただし、現場で即戦力として動くには、大工・塗装・清掃・消臭の4分野にまたがる幅広い知識と技術が求められます。
私はMIND代表の鷹田 了です。2008年から特殊清掃・遺品整理の現場に立ち続け、施工実績は2,000件を超えます。IICRC認定(TCST/FSRT)も取得しており、この記事では「現場でどんな知識・技術が必要か」を、採用担当者の視点も交えながら解説します。
就職・転職を具体的に考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

IICRC認定 TCST(特殊清掃)/FSRT(火災復旧)資格保有
特殊清掃・遺品整理の施工実績:2,000件超(2008年〜)
業歴17年(2008年〜)
特殊清掃の仕事で求められる4つの技術分野
特殊清掃の現場では、一つのスキルだけでは通用しません。孤独死・事故死などの現場では、臭いの除去と汚れの除去を同時に行う必要があり、そのために以下の4分野の知識と技術が不可欠です。
| 技術分野 | 主な作業内容 | 使用する道具・薬剤 |
|---|---|---|
| 大工工事 | 汚染床材・壁材の解体・撤去 | 丸鋸、マルチツール、パール、ハンマー |
| 塗装工事 | 防臭コーティング | ローラー、ハケ、油性・水性塗料 |
| 清掃仕事 | 汚れ・体液の除去、床・壁。家中全体の洗浄 | 各種洗剤(アルカリ・酸性・中性)、ブラシ |
| 消臭工事 | 空間噴霧、オゾン・ヒドロキシル処理 | フォグマスター、ULV、オゾン発生器、ヒドロキシル発生器 |
最終的な目標はどの現場でも「臭いの除去」と「汚れの除去」を両立させることですが、それぞれの分野で求められる知識と道具は大きく異なります。この4分野を体系的に理解しているかどうかが、即戦力かどうかの分かれ目になります。
大工工事の知識:汚染部材の解体・撤去
孤独死などで発見が遅れた場合、体液や腐敗臭が床材・壁材・その下の木材(根太やパーチクルボード、捨て貼り等)にまで染み込んでいることがあります。こうした汚染された部材は、清掃だけでは臭いが取り切れないため、解体・撤去が必要です。
この際に使うのが充電式の丸鋸やマルチツールです。








現場でよく使う道具リスト(大工系)
- 丸鋸(特殊清掃の鋸刃は木工用主体で外径125mmか外径165mmが一般的)
- マルチツール(替刃は木工用、金属用、石膏ボード用などがある)
- メジャー(スケールとも言う)
- ノギス
- バール
- ハンマー
- 電動インパクトドライバ(コードレスにて10.8V、14.4V、18Vが一般的)
- 電動ペンインパクトドライバ(コードレスにて7.2Vが一般的)
- 電動インパクトレンチ(コードレスにて14.4V、18Vが一般的)
- ウォーターポンププライヤー(カラス・アンギラス・アンギラとも言う)
- ラジオペンチ
- ニッパー
- ペンチ
- プライヤー
- ドライバー
- カンナ
- スクレッパー(物体の表面に付着した汚れ、古い塗装、シール、油汚れなどを効率的に剥がすための道具)
- 皮スキ(主に建築塗装で劣化した塗膜や錆を剥がすための道具)
- ケレン棒
- 掃除機
- 集じん機
- ホウキ・チリトリ
「手元」から始める学び方
現場では最初から一人で解体作業を任されることはほとんどありません。まずは「手元(てもと)」として大工職人の補助に入り、資材の運搬・道具の準備・片付けを担います。
このとき、道具の名前を全て正確に覚えておくことが重要です。「ウォーターポンププライヤーをください」と言われてすぐに出せなければ、作業の流れが止まります。道具名と用途をセットで覚えることが、現場での信頼につながります。


塗装工事の知識:防臭コーティングの基礎
特殊清掃業界では「特殊コーティング」「防臭コーティング」と呼ばれる作業があります。これは塗装工事の一種で、腐敗臭が床下のコンクリートスラブまで浸透した場合などに施工します。
また、天井(ジプトーン)にまで臭いが付着している場合は、ジプトーンに直接塗装工事を行うこともあります。
塗装工事で押さえるべき基礎知識
- 塗料の種類:油性と水性のメリット・デメリット
- 塗装面の処理工程:下塗り→中塗り→上塗り→最終上塗り
- 塗装材料の付着年数を考慮した塗料選び
- 道具:養生テープ・マスカー・養生シート・バケット・ローラー・ハケ
清掃仕事の知識:洗剤の選び方と汚れへのアプローチ
清掃の基礎は「洗剤の液性と汚れの組み合わせを正しく理解すること」です。間違った洗剤を使うと、汚れが落ちないだけでなく、建材を傷めたり、有害ガスが発生したりする危険もあります。
洗剤の液性と主な用途
| 液性 | 主に落とせる汚れ | 注意点 |
|---|---|---|
| アルカリ性 | 酸性の汚れに強く、油汚れ、焦げ付き、手垢、皮脂汚れ、タンパク質汚れなどを分解する洗浄力が高い | 素材へのダメージに気を付ける。特に塗装面 |
| 酸性 | アルカリ性の汚れ(水垢、石鹸カス、尿石など)を中和して落とすために活用される | 塩素系漂白剤と混ぜると有毒ガスが発生する。絶対に混ぜないこと |
| 中性 | アルカリ性や酸性の洗剤と比べて洗浄力は強くありませんが、軽い汚れを落とすのに適している | 洗浄力は弱めだが素材に優しい |
汚れを落とす基本手順(4ステップ)
スポンジや薬剤の影響を受ける素材かどうか?
どのような液性の汚れか?
汚れの種類に適した洗剤は何か?


消臭工事の知識:機材と薬剤の使い分け
特殊清掃における「消臭工事」では、薬剤による空間噴霧(フォグ)やオゾン発生器・ヒドロキシル発生器を活用します。いずれも消臭だけでなく除菌効果も期待できます。
主な消臭機材の違い
| 機材 | 使用環境 | 特徴 |
|---|---|---|
| フォグマスター(ULV) | 人がいない状態で使用可能 | 薬剤を微粒子化して空間全体に噴霧 |
| オゾン発生器 | 無人状態で使用(必須) | 強力な酸化力で臭いを分解。ただしゴム製品などへの影響あり |
| ヒドロキシル発生器 | 有人状態でも使用可能 | 人体への影響が少なく、稼働中も作業継続できる |




「遺体があった場所の近くにオゾン発生器を設置すれば効果的」と考えがちですが、正しくはありません。またヒドロキシル発生器とオゾン発生器では設置場所の考え方が異なります。機材の原理や消臭場所の構造を「なぜ?」と考えながら覚えることが、効果的な消臭につながります。
除菌消臭作業でよく使う薬剤
- 次亜塩素酸ナトリウム(定番。金属腐食・漂白に注意)
- 安定型次亜塩素酸ナトリウム(改良版。保存性が高い)
- 二酸化塩素やエクスペル・MA-T PRO 10000など
未経験者がまず押さえるべき心構えと学び方
特殊清掃の世界に入ってすぐ壁にぶつかるのが「マニュアルがない」という現実です。現場は一つ一つ状況が異なり、同じ対応が通用することはほとんどありません。
私が大切にしているのは「現場仕事は見て学び、なぜ?を追求する」という姿勢です。マニュアル通りに動くだけでは、イレギュラーな状況に対応できません。「なぜこの部材を撤去するのか」「なぜこの洗剤を使うのか」を考えながら作業することで、応用力が育ちます。
マニュアル依存のリスク
| リスク | 具体的な影響 |
|---|---|
| モチベーションの低下 | 決められた作業の繰り返しになり、仕事のやりがいを感じにくくなる |
| 思考能力の低下 | 自分で考えて工夫する力が育たない |
| 柔軟性を失う | イレギュラーな事態に対応できず、かえってトラブルを生む |
MINDでは、こうしたマニュアル人間になってほしくないという思いから、入社後も積極的に「なぜ?」を考える文化を大切にしています。
MINDで働くとはどういうことか
弊社MINDは2015年の創業から特殊清掃・遺品整理の現場に向き合ってきました。施工実績は2,000件超。IICRC認定(国際資格)を保有しており、業界内でも高い信頼を得ています。因みに、代表の鷹田自身は、2008年から特殊清掃・遺品整理の現場に立ち続けております。
現場では大工・塗装・清掃・消臭の4分野を一社で対応できる体制を整えており、スタッフ一人ひとりが幅広い技術を身につけられる環境があります。
- 未経験歓迎。入社後に必要な技術・知識を体系的に習得できる
- IICRC認定取得のサポートあり(国際的な資格でキャリアに直結)
- 年間200件超の施工実績で、多様な現場経験が積める
- 「なぜ?」を大切にする風土で、自分で考えるプロを育てる
- 安心の明朗会計と丁寧な対応で、顧客からの信頼も厚い
MINDへの採用・求人に関するお問い合わせ
特殊清掃の仕事に興味がある方、転職を検討中の方はお気軽にご連絡ください。
電話でのお問い合わせ(8:00-20:00)
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まとめ:未経験から特殊清掃のプロへ
特殊清掃は、大工・塗装・清掃・消臭という4つの技術分野が交わる専門的な仕事です。未経験からでも十分に活躍できますが、それには道具の名前から洗剤の液性、機材の原理まで、幅広い基礎知識を積み上げていく姿勢が求められます。
| 作業内容 | 消臭を目的に作業 | 汚れ落としを目的に作業 |
|---|---|---|
| 大工工事 | ||
| 塗装工事 | ||
| 消臭工事 | ||
| 清掃仕事 |
MINDでは、マニュアルに頼るのではなく「なぜ?」を考えながら成長できる人材を求めています。一緒に現場で学んでいきましょう。





