床下床上浸水で被災した住宅での消毒方法と料金相場【プロが解説】

水害現場

台風や大雨などで被災された方におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。
この記事では、IICRC国際資格(TCST・FSRT)を保有し、特殊清掃・水害復旧を2,000件以上手がけてきたMIND代表の鷹田が、床下浸水後の消毒作業の全工程と料金相場を徹底解説します。
浸水した家屋の水は、雨水だけでなく汚水・泥水・砂・細菌を含みます。「水が引いた後に何もしない」「乾燥だけで済ませる」と、カビ・シロアリ・異臭が後から深刻な被害をもたらします。まず、この記事で対処法を把握してください。

この記事で分かること:
  • 床下浸水後の消毒作業を業者に依頼した場合の作業フロー
  • プロ用の機材・消毒剤と一般家庭での代用品
  • 消毒作業を怠ることで起こるリスク
  • 消毒・水害復旧の料金相場(平米単価・オプション費用)
  • 業者選びのポイント(シロアリ駆除業者 vs 消毒業者)
【著者】MIND代表 鷹田 了
鷹田
MIND代表・鷹田

IICRC認定 TCST(特殊清掃)/FSRT(火災復旧)資格保有

特殊清掃・遺品整理の施工実績:2,000件超(2008年〜)

業歴17年(2008年〜)

目次

家屋が床上浸水した場合の作業開始から消毒まで完了の流れ

業者に依頼した場合、汚泥の掻き出しから除菌消毒完了まで通常2日間で対応します(住宅の大きさにより1チーム2〜4名で作業)。

STEP
水が引いた後

水が引いたら、濡れた畳や不要になった家財を撤去します。この段階で廃棄物の分別も行います。

STEP
濡れた建材の確認と撤去

床材・壁材をダスターで十分に水拭きします。必要に応じて解体・廃棄します。床下の断熱材は汚染(または吸水)されていたら撤去・処分が必要です。

STEP
排水(汚泥・汚水の除去)

汚泥・汚水を水中ポンプなどで取り除きます。この工程を丁寧に行わないと、後の消毒効果が大幅に低下します。

STEP
床下の高圧洗浄

水道水で床下を洗い流します(床下の高さ・広さに応じて高圧洗浄機を活用)。この洗浄工程なしに消毒しても効果は得られません。

カビが発生していた場合は、60℃以上の熱湯を5秒以上かけ続けるとカビ菌のたんぱく質を死滅させられます(特に黒カビに有効)。

STEP
乾燥

送風機を用いて汚染部をしっかり乾燥させます。乾燥を省略すると消毒効果が得られません。

熱湯を使った後の水分はカビの栄養源になります。十分な換気・乾燥が必要です。

STEP
除菌作業(次亜塩素酸ナトリウム噴霧)

汚染部全体にフォグマスターまたはULVを用いて安定型次亜塩素酸ナトリウムを噴霧し、除菌・カビ対策を行います。

STEP
オゾン脱臭作業

除菌作業後、養生等で密閉状態を作りオゾン脱臭を実施。隙間なく高い除菌・脱臭効果を発揮します。

STEP
カビ予防作業

オゾン脱臭作業後は、アメリカ合衆国EPA認証のゼットワン(フォグマスターを活用)を噴霧することで消臭とカビの繁殖抑制いたします。

参考:築3年戸建ての床下浸水による水害消毒作業

水害復旧に必要な7つの機材・消毒剤とは

プロ用の機材・消毒剤になりますが、業務用として主にこれらを作業現場へ持参いたします。

水中ポンプ

水中ポンプ

水害現場では、汚泥、汚水に対応できて、更に最低水位が低い水中ポンプほど使い勝手が良い。

高圧洗浄機

高圧洗浄機

床下での使用を想定し、コンパクトなサイズが望ましいです。

送風機

circulator

100V対応で吸気・排気のどちらにも使用できる機種が使い勝手良好です。

ブロワヒーターPlus

ブロワーヒーターPlus

温風・送風 切替機能搭載、小型で狭い場所での乾燥作業に最適。

フォグマスター

フォグマスター

100V対応電動噴霧器で7〜8m先まで噴霧可能。床下などで次亜塩素酸などの薬剤散布に最適です。

オゾン脱臭機

故障リスクを考慮し、国産機種の活用が望ましいです。除菌・消臭だけでなくカビ対策にもオゾンは有効です。

除菌薬剤

安定型次亜塩素酸ナトリウム

業務用として除菌効果を考えると、200ppm以上の安定型次亜塩素酸ナトリウムを使用します。

一般家庭で代用できる水害復旧の機材・消毒剤

プロ用機材の一般家庭向け代用品をまとめました。

業務用の機材・消毒剤家庭用で代用可
汚水ポンプバケツなどで水出し
高圧洗浄機ホースリールシャワー
業務用スチームクリーナーやかんでお湯を沸かす
送風機扇風機
フォグマスター手動噴霧器
次亜塩素酸ナトリウム(カビ対策・除菌剤)塩化ベンザルコニウム・オスバンなど
業務用集じん機家庭用で代用不可能
オゾン脱臭機(カビ対策・除菌・消臭)家庭用で代用不可能
グランバイオプロ(洗浄剤&除菌剤)家庭用で代用不可能
ゼットワン(カビ予防剤)家庭用で代用不可能

通販で中国産等の安価なオゾン脱臭機も見受けられますが、性能が著しく低い場合があります。業務用に適したオゾン脱臭機を選択しましょう。

乾燥・消毒作業を怠った場合のリスクと健康被害

水害後の消毒作業を手抜きした際のリスクをまとめました。

  • 戸建て住宅のフローリング下には捨て貼り工法が多く、捨て貼りの下側(地面側)に断熱材がタッカーで止められていることが多いです。断熱材を撤去しなければカビ発生の原因になります。
  • 汚泥が残ると悪臭が発生するだけでなく、害虫が発生します。
  • 乾燥の際の注意点は温風を使用しないこと。床下の基礎には電気配管があり、熱風配置が温められ火災発生の原因となる可能性があります。
  • 床下浸水を放置すると、カビが発生しカビ臭の原因となったり、シロアリやその他の害虫が発生してしまうことがあります。
  • 床上浸水の場合、長い時間放置していると、家中がドブ臭くなります。
  • カビが発生すると、空気中のカビ菌が体内に入り込み、アレルギー・感染症・食中毒・ぜんそくなどの健康被害を引き起こす可能性があります。免疫力や抵抗力が弱いお子様やお年寄りがいる家庭は特に注意が必要です。

床下浸水・床上浸水の消毒作業料金相場

水害復旧(消毒・消臭除菌まで)の料金は「平米数×作業単価=合計金額」が基本です。平米数が少ないほど割高になります。
例:床下浸水の場合、お客様自身が床下の汚泥の撤去や床下洗浄を終わらせていた場合、「消毒」作業のみとなります。
作業費を高く感じる方もいるかもしれませんが、水害現場では細菌の中で仕事することになり、作業スタッフも汚染してしまう恐れがあります。また実際に作業依頼があったお客様自身が床下へ潜り、汚水(細菌)が目に入り長期入院を余儀なくされている方もいらっしゃいます。このような環境の中での仕事を考えると、妥当な金額と思います。

50㎡以下50㎡以上
床有り8,000円(税込8,800円)/㎡7,000円(税込7,700円)/㎡
床無し6,000円(税込6,600円)/㎡5,000円(税込5,500円)/㎡
  • 会社諸経費:10,000円(税込11,000円)より
  • 作業内容:養生・汚水処理・洗浄・乾燥(※作業人件費込みの平米単価)

人が床下に潜って作業を行うには床下高40cm以上と、進入する点検口などの開口部(45cm×45cm以上)が必要です。
※基本的に床下高40cm以下は、床下に潜って作業できないため、作業依頼をお断りしております。
※電気・水道の使用許可をお願い申し上げます。

オプション作業料金
床開口部造作20,000円(税込22,000円)/箇所
畳の回収4,000円(税込4,400円)/1帖
床下断熱材の撤去&処分4,000円(税込4,400円)/㎡
カビ取り2,000円(税込2,200円)/㎡
カビ根の殺菌&防カビ施工3,000円(税込3,300円)/㎡
カビ胞子の殺菌2,000円(税込2,200円)/㎡
シロアリ予防工事2,000円(税込2,200円)/㎡
床の解体別途見積もり


※作業する規模(住宅の大きさ)によるが通常は1チーム2人または4人で水害復旧作業を行い、汚泥のかき出しから始めると合計2日で除菌消毒作業まで完了させることが多いです。

水害現場は、シロアリ駆除業者と消毒業者・消臭業者のどちらを選べばよいの?

家屋浸水した際に、一番気を付けなければならないことが、カビ対策です。
湿気によって壁や床板がカビてしまうこともあるでしょう。そしてカビ臭が発生することによる不快感もあるでしょう。
現在では床下全面がコンクリートによるベタ基礎の住宅が多くなり、布基礎よりシロアリ駆除の心配が比較的に少ない住宅が多くなりました。
但し、カビは木材やコンクリート、タイル、石膏ボードなど住宅のあらゆる素材に発生します。高温多湿の日本はカビの暮らしやすい環境なのです。そのため、カビ取りが出来て、カビを抑制するためのカビ根の殺菌や防カビ処理などの本格的なカビ対策が出来る業者が望ましいです。


また新築の時にはベタ基礎の住宅でもシロアリ予防工事されていますが、水害ではその効果(コーティング剤)が流されてしまい再びシロアリ予防工事を行った方がベストです。

よくある質問(FAQ)

床下浸水の消毒は自分でできますか?

一部の工程は家庭用品で代用可能ですが、オゾン脱臭機・業務用フォグマスター・業務用除菌剤は家庭では用意できません。また床下は細菌が充満した危険な環境です。作業後に体調不良が出る事例もあるため、プロへの依頼を強くおすすめします。

費用はどのくらいかかりますか?

消毒作業の平米単価は50㎡以下で8,000円/㎡(税込8,800円)、50㎡以上で7,000円/㎡(税込7,700円)が目安です(床有りの場合)。別途会社諸経費10,000円(税込11,000円)〜が加算されます。断熱材撤去・カビ取り・シロアリ予防工事などはオプション扱いです。

浸水後、何日以内に消毒すればよいですか?

水が引いた後、できる限り早く(24〜48時間以内が理想)作業を開始することをおすすめします。放置するとカビが繁殖し始め、後の作業コスト・健康リスクがともに上昇します。

火災保険・水害保険は使えますか?

水害補償が付いた火災保険(水災補償特約など)を契約していれば、消毒・復旧費用が補償対象となる場合があります。45㎝以上の高さ以上などの条件があることが多いです。まず保険会社へ連絡し、罹災証明書を取得したうえで申請してください。

カビが生えてきたら追加で費用はかかりますか?

カビが既に発生している場合は「カビ取り(2,000円/㎡)」「カビ根の殺菌&防カビ施工(3,000円/㎡)」「カビ胞子の殺菌(2,000円/㎡)」がオプションで加算されます。早期に対処することで追加費用を抑えられます。

「床下床上浸水で被災した家屋での消毒方法と料金相場」まとめ

  • 家屋浸水の水は雨水だけでなく汚水・下水・大量の泥や砂が含まれ、床上まで流れ込んでいることがあります。感染源にもなる細菌が含まれているため、「汚水の撤去」「真水での洗浄」「乾燥」「除菌消毒」の最低4工程が必要です。
  • カビが発生すると、空気中のカビ菌が体内に入り込み、アレルギー・感染症・食中毒・ぜんそくなどの健康被害を引き起こす可能性があります。
  • 消毒作業料金は平米単価制。50㎡以下8,000円/㎡〜、断熱材撤去・カビ対策はオプション加算。
  • 業者選びはシロアリ駆除業者よりも、カビ根の殺菌・防カビ施工まで対応できる消毒・特殊清掃業者が適切です。

年間200件超の実績があるMINDにお任せください。

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メールでのお問い合わせ (24時間受付)

水害復旧作業の場所と時期や作業実績数

水害復旧の時期作業件数水害復旧の作業地域
2019年10月8件(神奈川県)川崎市川崎区、川崎市中原区、(埼玉県)戸田市、(茨城県)常盤太田市、(栃木県)佐野市
2019年11月3件(千葉県)茂原市、(埼玉県)東松山市、(茨城県)常盤大宮市
2020年8月6件(埼玉県)さいたま市
2021年4月1件(東京都)豊島区
2023年6月1件(東京都)稲城市
2025年9月8件(東京都)大田区、品川区、(神奈川県)川崎市中原区

上記作業で活用する薬剤と作業用具

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この記事を書いた人

2008年より遺品整理・特殊清掃の現場に立ち続けて17年。
IICRC国際資格保有・特殊清掃2,000件超の実績をもとに、
正確で信頼性の高い情報をお届けします。

『一般廃棄物収集運搬会社にて8年間の業務経験』
『IICRC認定 TCST(特殊清掃)』
『IICRC認定 FSRT(火災復旧)』
『古物商許可取得』
『業歴17年(2008年〜)』
『特殊清掃実績 2,000件超』

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