
IICRC認定 TCST(特殊清掃)/FSRT(火災復旧)資格保有
特殊清掃・遺品整理の施工実績:2,000件超(2008年〜)
業歴17年(2008年〜)
「消臭できた」は業者の主観だけで判断できない
孤独死が発生した物件の特殊清掃において、最も見落とされがちなリスクのひとつが「ニオイの再発」です。
ニオイは目に見えません。作業直後は消臭剤や換気の効果で臭わなくなったように感じても、気温や湿度の変化、空気の流れが変わると、数日後・数週間後に再び臭気が戻るケースがあります。
問題は、業者が「完璧に消臭しました」と口頭で伝えるだけでは、その言葉が主観的な判断に過ぎないことです。数値による客観的な裏付けがなければ、家主・管理会社は「本当に消えているのか」を確認する手段がありません。
ニオイが残っていた場合、次のようなトラブルに発展しやすくなります。
- 近隣住民からのクレームや管理組合への苦情
- 入居希望者への告知義務・説明責任の問題
- 次の入居者から「聞いていなかった」と退去・損害賠償を求められるリスク
- 業者との「消臭できていた・いなかった」の水掛け論
こうしたトラブルを未然に防ぐために重要な役割を果たすのが「臭気測定器」です。
臭気測定器とは何か(1分でわかる)
臭気測定器(ニオイセンサー)とは、人の嗅覚では捉えにくい空気中のニオイ成分を数値化する機械です。
「ニオイがする・しない」という感覚的な判断ではなく、センサーが検知した臭気の強さを数値として記録することができます。
- 作業前の臭気レベルを数値で記録する
- 作業後の臭気レベルと比較して、消臭効果を客観的に示す
- 測定データを報告書として家主・管理会社に提出する
特殊清掃の現場では、ハンディタイプの小型臭気測定器が使われています。価格帯は10万円程度のものから80万円を超えるものまであり、機種によって精度に大きな差があります。
測定器を使わない業者に依頼した場合のリスク
臭気測定器を持たない業者は、消臭の完了を「業者の経験と感覚」で判断します。これは必ずしも悪意があるわけではありませんが、家主・管理会社の立場からは大きなリスクを伴います。
リスク1:「消臭の証拠」が何も残らない
測定データがなければ、どの程度のニオイがあり、作業後にどこまで改善されたかを証明する手段がありません。仮に後日ニオイが再発しても、「作業前からその程度のニオイだった」「清掃は完了していた」と業者に言われれば、反論する根拠がない状態になります。
リスク2:再発時の交渉が困難になる
MINDには、他社が一度清掃した物件を再依頼されるケースが年に複数件あります。そうした案件では「前の業者は問題ないと言っていたが、ニオイが取れていなかった」というお声をいただくことが少なくありません。
この場合、前業者との費用負担の交渉は非常に難しく、結果として家主・管理会社が再清掃費用を全額負担せざるを得ないことがほとんどです。
リスク3:入居者・近隣へのトラブルに発展しやすい
清掃後すぐに入居者を迎えた場合、ニオイが残っていれば即クレームにつながります。孤独死物件は心理的瑕疵の告知義務もあり、ニオイ問題が重なると入居者から契約解除・損害賠償を求められるリスクが高まります。
近隣住民への影響も無視できません。廊下や共用部にニオイが漏れ出した場合、管理組合や他の入居者から管理責任を問われることもあります。
測定器を使う業者を選ぶメリット
逆に、臭気測定器を使って作業前後の数値を記録する業者に依頼した場合、家主・管理会社には次のようなメリットがあります。
メリット1:消臭効果を客観的なデータで確認できる
「数値が〇〇から〇〇に下がった」という事実は、業者の言葉よりはるかに説得力があります。清掃の品質を自分の目で確かめる手段を持てることは、発注者として非常に重要です。
メリット2:報告書として記録に残せる
測定データを含む作業報告書を受け取ることで、管理会社であれば入居審査時や次の入居者への説明に活用できます。また、万が一後日問題が生じた場合にも「清掃時点では適切に消臭されていた」という証拠になります。
メリット3:説明責任を果たせる
不動産管理会社の場合、オーナーへの報告義務があります。「測定器で確認して問題なかった」という報告ができれば、オーナーへの説明もより明確になります。個人家主の方も、相続人や関係者への説明がしやすくなります。
業者に確認すべき3つの質問
特殊清掃業者へ見積もりや問い合わせをする際、以下の3点を確認することをおすすめします。
| 質問 | 確認したいこと | よい回答の目安 |
|---|---|---|
| ① 臭気測定器を持っていますか? | 測定器を業務で実際に使用しているか | 「はい、〇〇という機種を使用しています」 |
| ② 作業前後の数値を記録してもらえますか? | 測定を業務フローに組み込んでいるか | 「はい、標準の作業手順に含まれています」 |
| ③ 測定データを報告書として提出してもらえますか? | 書面で証拠を残してもらえるか | 「はい、作業報告書に記載してお渡しします」 |
「測定器は持っているが、データは出せない」「口頭でのご説明になります」といった回答の場合は、発注者側に証拠が残らないため注意が必要です。
また、測定器の機種を聞いてみることも参考になります。特殊清掃業界では、カルモアNeo Sigma(現在、製造中止)、神栄OMX-ADM、カルモアPOLFAなどが代表的な機種です。「安い機種を1台持っているだけ」の業者と、精度の高い機器を使い慣れた業者では、現場での活用レベルに差があります。


まとめ
孤独死の特殊清掃において、「消臭できた」という業者の言葉だけでは、家主・管理会社として十分な確認ができません。
- ニオイは目に見えないため、感覚的な判断だけでは再発リスクが残る
- 臭気測定器を使う業者は、作業前後の数値を客観的なデータとして記録できる
- 測定データの報告書は、入居者への説明・業者との交渉・オーナーへの報告に活用できる
- 業者選びの際は「測定器の有無」「データの記録」「報告書の提出」の3点を確認する
臭気測定器の有無は、特殊清掃業者の「見えない品質」を見極めるひとつの指標です。費用だけで業者を選ぶのではなく、データで品質を担保してくれる業者を選ぶことが、長期的な管理リスクの低減につながります。
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